
アニメ脚本家とは、アニメの「物語の土台」を作る人たちのことを指します。シナリオライターと呼ばれることもあります。
シナリオライターが脚本を書くことでアニメが成り立っているといっても過言ではありません。
アニメの成功は、脚本家の力によって大きく左右されます。アニメ監督や構成作家との連携も重要で、一緒に話し合いながら脚本を書いていくため、スタッフと協力して進める協調性も求められます。
では、アニメの脚本家になるにはどのような方法があるのでしょうか?順番に解説していきます。
アニメの脚本家になるには?方法は2つ!

アニメの脚本家になる方法は、大きく分けて以下の2つです。
- 完全実力で勝ち取る
- コネや人脈を駆使する
それぞれ簡単に解説していきます。
完全実力で勝ち取る
これは明快です。
- 【その1】シナリオコンクールに応募し入賞を勝ち取ること
シナリオコンクールとは脚本のコンテストのことです。アニメ脚本の場合、有名週刊誌(ジャンプやマガジンなど)が主催する脚本コンクールなどがあります。
ここで審査員の目に留まり上位入賞をすると、仕事の依頼や次につながる出来事に発展する可能性があります。
また、コンクールによっては「大賞を取るとアニメ化決定」などの条件もあります。とにかく完全実力でシナリオライターになる!という人はぜひ!
・・・とはいえ、完全素人で入賞は難しいので、独学で頑張ったり、専門の学校や講座などで実力を確かなものにしておきましょう。
コネや人脈を駆使する
- 【その2】アニメ制作会社で働く
- 【その3】アニメ専門の学校で学ぶ
いずれも、業界内で基礎や実務を学びつつ人脈を築くことができます。無名のフリーランスの脚本家として始めるよりも人脈を作る機会が増え、脚本を見てもらいやすくなります。
アニメ専門学校に通い、同じ目標を持つ仲間と繋がりを持ちながら、スキルアップと人脈を築いていくのも良いでしょう。
では、ここまで紹介した3つのパターンから脚本家になる方法
- 【その1】コンクール入賞
- 【その2】アニメ制作会社で働く
- 【その3】アニメ専門学校で学ぶ
これらについて詳しく説明していきます。
【その1】脚本コンクールやコンテストで入賞する方法

アニメ脚本コンクールやコンテストで入賞する方法を解説します。まず大切なことは、以下の基本原則を守ることです。
- 必ず公募の規定を守る
- 同じ作品を複数のコンテストに出さない
- 応募が完了したら、すぐに次の作品に取り組む
入賞のチャンスを高めるためには、まず目標のシナリオコンクールの過去受賞作品を調べ、受賞しやすいシナリオの傾向を把握しましょう。得意なジャンルがあれば、そのジャンルに特化したコンクールに応募することで、受賞確率が上がります。
シナリオ執筆の基本も押さえておくことが重要です。登場人物の設定や綿密なプロット作り、ト書きと台詞の書き分けなど、シナリオの基本をしっかりと学びましょう。
また、テーマを明確にすることが大切です。斬新なテーマは審査員の目を引くため、コンクール審査を通過しやすくなります。日常的にニュースやネットをチェックし、目新しいテーマを探し続けましょう。
最後に、締切日までに余裕を持ってシナリオを執筆し、推敲を重ねることで完成度を高めます。誤字や脱字だけでなく、ストーリーの矛盾や瑕疵がないように仕上げましょう。これらのポイントを押さえることで、アニメ脚本コンクールやコンテストでの入賞が現実的になります。
★>>コンクール
【その2】アニメ制作会社に就職→脚本家にステップアップする方法

まずアニメ制作会社で経験・実務を学ぶ
アニメ制作会社では、様々な職種が存在します。最初は別の職種でも、アニメ制作の現場で実務経験を積むことが大切です。
脚本家の仕事はチームで進行するので、全体の流れや各部門の実務を大まかにでも知っていると有利です。いざ自分が脚本家デビューするときはスムーズに進行することができるでしょう。
脚本執筆のスキルアップと人脈作り
アニメ脚本家になるためには、当たり前ですが「脚本の書き方」や「ストーリーボードの作成方法」を身に着ける必要があります。
同時に、アニメ業界の人との人脈を作りましょう。
言葉は適切かわかりませんが、人脈は今後の「金脈」となる可能性があります。飲み会や会合などで、同業者や脚本家の先生との人脈を積極的に築いていくことが重要です。
脚本コンテストに応募する
アニメ脚本家を目指すなら、脚本コンテストに積極的に応募しましょう。入賞や受賞することで評価や知名度が上がり、たった一度の受賞で未来は180度変わることもザラにあります。
また、脚本コンテストは「アニメ分野」にこだわらず、幅広く応募することも重要です。
まずは「脚本家」としてデビュー&認知され、そこからジャンルや路線変更をしても遅くはないからです。とにかく、業界内でのあなたの知名度・評価を高めることが大事です!
チャンスに備える準備と努力の継続
アニメ制作会社勤務からアニメ脚本家にステップアップするためには、時間と長期的な努力が必要です。
スキルアップや人脈作りを継続して行いましょう。ふとしたチャンスを逃さない為にも、自分自身のシナリオ作成スキルは十分に磨いておくことだ大事!
【その3】アニメ専門学校で学びアニメ脚本家になる方法

アニメ専門学校の選び方
アニメ脚本家を目指す場合、専門学校選びは以下の基準をもって選ぶのがオススメです。
- 有名な脚本家を輩出している実績の有無
- アニメシナリオ作成に特化した学科があるか
- アニメ業界とのつながりが強いか
- 就職支援やインターンシップの機会があるか
有名なアニメ専門学校の特徴と評判
代々木アニメーション学院(シナリオ・小説科)

代々木アニメーション学院の知名度は業界内ではNo.1と言っても過言ではないでしょう。
クリエイター学部の中に「シナリオ・小説科」という学科があり、脚本家になるためのカリキュラムを学べます。
1年次から自分の作品を制作し披露する機会があり、非常に実践的なカリキュラムと言えます。
2年次には、より専門性&自分の適性にあった脚本づくりの学習で、新人コンクールへの応募も行います。入賞すると今後の脚本家としてのデビューに大きく前進します!
大手ならではの、就職関連のサポートも充実しているのがメリットと言えるでしょう!
アミューズメントメディア総合学院(小説・シナリオ学科)
アミューズメントメディア総合学院では、小説シナリオ学科の中に「アニメ・ゲームシナリオ専攻」とさらに細分化されており、より深く専門性の高いスキルを修得できます。
1年次は文章力や構成力、キャラクター作成などの「基礎」を学び、まずは1本のストーリーを完成させることを目標にします。
2年次になると各専攻に分かれ、世界設定や描写法、シナリオ・脚本のより専門的な内容を深く学びます。
アミューズメントメディア総合学院では、自社グループに制作会社を保有しています。
これが脚本家デビューや、就職への強いサポートとなります。頻繁なプロットコンペ開催や、大手ならではの業界へのパイプを、最大限に活用しましょう!!
日本映画大学(脚本コース)

特徴:
- 発想力を磨くための演習や即興によるセリフ作りなど、脚本を書く基礎訓練を学べる
- 国際的なアニメーションフェスティバルへの参加や海外のアニメ学校との交流があるため、グローバルな視野を持つことができます。
- シナリオ作家の登竜門“新人シナリオコンクール”など外部のコンクール応募・受賞を目標としている
評判:
- 卒業生が数多くのアニメ作品で活躍しており、高い実績が評価されています。
- 学内の設備が充実しており、最新の技術やツールを使って学ぶことができると好評です。

アニメシナリオ作成専攻で学ぶこと
アニメシナリオ作成の学科では、以下のようなカリキュラムが展開されています。
- 基本的な脚本の構造や技法を学ぶ
- ジャンル別のシナリオ作成方法を習得する
- 実際のアニメ制作現場でのシナリオ作成を体験する
- プロの脚本家から直接指導を受ける
各専門学校によって方針やカリキュラムが異なりますが、基礎と実践の繰り返しという点は共通しています。
学費や奨学金制度あり
アニメ専門学校の学費は、約200万円~400万円程度が一般的です。(※ただし振れ幅は大きい)
奨学金制度も用意されており、成績優秀者や経済的な理由で支援が必要な学生が対象となる制度もあります。
専門学校での人脈作りも大事
専門学校では、業界人との交流イベントやインターンシップが開催されることが多く人脈作りのチャンスです。
当然ながら、人脈は脚本家への道をつかむための重要な要素なのは言うまでもありません。
卒業後の進路は?
専門学校在籍時に「新人シナリオコンクール」などで入賞できれば、卒業後(または卒業前に)プロの脚本家としてデビューの期待が高まります。
コンクールなどで成績がいまひとつの場合は、アニメ制作会社などの入社し、実務を学びながら人脈を築き、同時にシナリオコンクールに応募し続ける体力と根気・努力が必要です。
アニメ脚本家になる方法の比較

脚本コンクールやコンテストで入賞して脚本家になる方法
メリット | デメリット |
---|---|
注目を浴びやすい | 競争が激しい |
受賞歴は強力な強みとなる | 入賞しなければ目立たない |
業界人との出会いがある | 努力が報われないこともある |
コンクールやコンテストで入賞することは確実な脚本家への第一歩です。
才能をアピールしやすく、業界内での注目を集める大チャンス!ただし、競争が激しく入賞しなければ目立ちにくい面もあります。
アニメ制作会社に就職→脚本家にステップアップする方法
メリット | デメリット |
---|---|
業界での経験が身につく | 脚本家としての仕事がすぐにはできない |
人脈が広がる | 仕事が忙しく脚本の勉強・執筆が疎かになる可能性 |
制作現場での実践的なスキル習得 | 制作会社によっては脚本家への道がない場合も |
アニメ制作会社に就職してから脚本家にステップアップする方法では、業界での経験が身につき、人脈も広がります。
ただし、すぐに脚本家としての仕事に就けるわけではなく、会社によっては脚本家への道がない場合もあります。
アニメ専門学校で学びアニメ脚本家になる方法
メリット | デメリット |
---|---|
専門的な知識が身につく | 学費がかかる |
業界人との出会いがある | 卒業後、必ずしもすぐに脚本家になれるわけではない |
就職サポートが充実 | 専門学校によって教育内容が異なる |
アニメ専門学校で学ぶ方法では、専門的な知識が身につき、業界人との出会いも得られます。
ただし、学費がかかることや卒業後に必ずしも全員が脚本家になれるわけではない点がデメリットです。
自分に合った方法の選び方
自分に合った方法を選ぶために、以下の点を考慮すると良いでしょう。
自分の目標や志向
アニメ脚本家になるために、どの程度の時間や労力を投資したいのか、どのような環境で学びたいのかを考えます。
お金の面
学費や生活費など、自分がどの程度の費用を負担できるのかを検討します。場合によっては、独学や制作会社での勤務との並行なども考えましょう。
現状のスキルや知識
すでに一定のスキルや知識がある場合、コンクールやコンテストで実績を上げる方法が適しているかもしれません。一方で、基礎から学びたい場合は専門学校が良い選択となります。
就職や進路転向の可能性
アニメ業界への就職の強さや、万が一他業界に行く場合にも就職に困らないか?など、多角的に考えることも大切です。
これらの点を踏まえて、自分に最適な方法を選ぶことが大切です。それぞれの方法にはメリットとデメリットがありますので、自分の状況や目標に合わせて、柔軟に取り組みましょう。
アニメ脚本家に向いている人

どのような人がアニメの脚本家に向いているのか?シナリオライターに適した「性格や特性」を以下にまとめてみました。
創造力豊かな人
アニメ脚本家には、新しいアイデアや物語を生み出す力が求められます。独創的なストーリーやキャラクターを考案できる人でないと、脚本家としての活躍は難しいでしょう。
コミュニケーション力がある人
最近では1人で全てのシナリオを書くことは珍しく、チームで物語の大筋や展開を考えることが一般的です。
チーム戦でシナリオを完成させていく中で、アニメの土台・骨格を作るのがアニメ脚本家の仕事です。独りよがりの職人体質ではなく。他のスタッフと円滑にコミュニケーションが取れる人も求められています。
継続的な努力ができる人
アニメ脚本家には、継続的な努力が求められます。アイデアを磨き、スキルを向上させるために、常に自分自身を研鑽し続ける人が向いています。
場合によっては、長い間結果が出ないときも・・・。そんなときも不断の努力を続けられるか??あなたの資質が問われます。
柔軟な発想ができる人
アニメ業界は日々進化しており、新しい表現方法や技術が次々と登場します。変化に適応し、新しい発想で物語を創り上げることができる人が適しています。
細部にこだわる人
アニメ脚本家は、物語の構成やキャラクターの台詞、シーンの描写など、細部にこだわることが重要です。細かい部分まで気を配ることができる人が、良質な脚本を書くことができるでしょう。

アニメ脚本家になるために必要な資格はある?

基本的に資格は不要、実力主義です!
資格は必要ないが、実力が重要
アニメ脚本家になるために特定の資格は基本的には必要ありません。
業界は実力主義であり、優れた脚本を書くことができれば誰にでもチャンスがあります。しかし、スキルや実力を高めるためには、専門の授業や講座を受けることが有益です。
スキルアップのための方法
アニメ脚本家に必要な知識や技術を習得するために、以下の方法を検討してみてください。
- アニメ専門学校で学ぶ
- オンライン講座や通信教育で知識を身につける
- 脚本家や業界関係者が開催するセミナーやワークショップに参加する
- 脚本家を目指す仲間と勉強会を開く
これらの方法を通じて自分のスキルや知識を磨き、シナリオ制作のスキルアップを図りましょう!
